2025/01/29 22:44
こんにちは。
最近「なんでこんな大変なお仕事をされているのですか?」
と聞かれたことがありました。
見た目が女性であり、畜産生産者にみえないとよく言われるから
違う職業が合っていると思われたのかもしれません。
私の元々の職業は社会福祉協議会で社会福祉士としてお勤めしていました。
祖父・母が営んでいた養鶏場
「養鶏場が潰れるかもしれない。なんとかしてほしい」
というのが最初でした。
経営したこともない。
どっちかというと公共に近いポジションのお仕事をしていた。
どう考えても、何にもできない武器もない、偏差値が高いわけでもない
普通のお勤めの人でした。
なのに、家族の一大事だ。
何とかしなきゃ。
という長女の意識なのか
やる事を決めました。
小さいころから鶏舎があるのは当たり前で、卵を食べて育っていただけで
「実際の飼育、販売はどうしているのか」
全く知りません。
とりあえず、鶏舎の周りを清掃し始め、ひたすら一人で草刈りと清掃。
そして自分のお給料は自分で稼いでくるというシステムだったので
めちゃくちゃ考えないといつまでたっても生活費がなく
貯金を崩すしかない状態でした。
毎日鶏舎に行って、鶏の様子を観察し
たまごが、同じものが一つとしてない事を知りました。
ホルモンバランスが整ってないから身体に合わない大きなたまごを産んで
裂けて出血してる場面も見ました。
鶏が狂暴で、個体の小さい子をいじめたりする自然の摂理も知りました。
餌屋さんから卵黄の色は簡単に調整できますよと説明を受けました。
餌屋さんに独自の餌の配合と割合を(オーダーメイド)して依頼しているのも関わらず自社でも餌づくりをしているという事を知りました。
さらに、他の養鶏場はどんな規模で何をしているのか気になって調べるようになりました。
そうしたら、世間の思っている事(私も養鶏場の親族でありながら全く無知でしたので同じ立場)と
現実は凄く乖離していることも分かりました。
大きい疑問は、なぜ鶏の年齢でクオリティが全然違うのに
サイズで販売するんだろう。。。
という事が一番でした。
※スーパーでは規格が合ってg(大きさ)で決めており、日本の多くがそのような販売のために
洗卵する機械もサイズ別で選別するようにしかなっていない
そこから、たまゆら琥珀が誕生したのです。
でも当時、たまごのサイズ別ではなく、鶏の年齢別で販売する事に
会社の人も、周りの養鶏関係者も、誰も「いいね!」と言ってもらえず。
また、その最高のクオリティだけを拾い、お渡しする値段にも「誰も買わない」
とさんざん言われてきました。
たぶん、自分の為だけだったら心が折れていたと思います。
誰も味方がいないし
味方を作る方法も分からなかったし
何とかしてと言っていた親族までもが、否定的でした
正直辛かったです。
でも何が、私を奮い立たせたのか
鶏を毎日見ていて、そして最後お肉にするところまでしっかり刻んだ時に
「この子たちの生きた証って何だろう」
と思ったのです。
「卵は当たり前に安くて当然」「1パック98円のたまごがあって当たり前」
え?こんなに出血しながら産んでるたまごなのに?
こんなに生命の営みで様々な形や色や模様がある宝石のようなかけがえのない尊いものなのに?
私は、こはくファームに来てくれた子たちに
安心できる環境と、無理のない成長と、季節に応じたごはんを食べてもらいたい
『生きた証が、すごく美味しかった・ありがとう・大切に食べましたで、ありたい』
という。鶏を大切にしたいという気持ちから、ブレずに誰に何を言われても
曲げずに、トライして失敗しても「だめだった。あきらめよう」ではなくて「絶対、機をみてまたトライしよう」
という気持ちしかありませんでした。
この時の私は、否定されたから仲間意識が私もなくて。
結果でねじ伏せてやろう。
という、浅はかな気持ちでした。
化粧箱を作った時に、どこの人が買ってくれるのだろう。。。
と、作った後に考えていて。
お勤めしたことしかない私の知恵は「夜の街で、クラブとかラウンジにいる人だったら購入できるにちがいない」
と考え、化粧箱を持って飛込み営業を夜していました。
今の私だったら、スタートの考え方が「自分の事ばかりで情けないな」と思いますが
ラッキーなことに
「お客様に何か頂いたり、お渡ししなければならない機会に、お菓子では安っぽい・ハンカチや靴下だと家庭内不協和音が出てしまう。でもこのたまごだったら喜ばれるとおもうので是非」
という事で喜ばれる品でご注文を頂くようになりました。
(今ではもうお取引はなくなりましたが、当初はそこから飲食店さんにもつながるきっかけにもなりました)
必死で営業し
必死で養鶏の事を勉強して行く中で
会社の人達も「危なっかしいな」と思いながら少しづつ距離が近くなりました。
当時、一人で売ってきた!一人でこなしてきた!
とか思いあがっていました。
全然一人では何もできないのです。
今、代表をさせてもらっていて
チームがいないと何もできないと痛感しています。
だから、「私」ではなくて「私たち」なのです。
親族を助けなきゃ。
と考えて動いてやり始めたことが、今は
鶏を健やかに育てていきたい。そして、こはくファームのたまごを食べてくださった方が大切な人との幸せな時間を少しでも長く過ごしてもらいたい。
この2つの想いを遂行するために走り続けています。
大変なのは、誰もがそうだと思いますし、ネガティブな気持ちは一切ないです。
まだまだ、成功したともいえないですし。まだまだ成長途中なんです。
ですけど、今私が亡くなったとしても、毎日フルパワーで動いているので後悔も無いです。
幸せです。
鶏とこはくファームのメンバーを大切にして
そして、こはくファームのたまごを食べてくださる皆様に幸せな時間をすごしていただけるように
その意識で営ませて頂いております。
こはくファーム
代表取締役 長瀬ひとみ